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2009年5月

EIGA「聖衣」「オクラホマ」「八十日間世界一周」

総天然色カラー・シネマスコープ映画といった売り文句で最初に日本に来たカラー・シネスコ映画は「聖衣」というキリストの処刑を描いた映画だった。小学生の頃に映画好きだった父親に連れられて、新宿のオデオン座で見た。その頃は映画の前にジャズの演奏があって、雪村いずみが確か唄っていた。司会者がしきりに「いずみちゃん、いずみちゃん」といっていたのを覚えている。未だ若い新人のリチャード・バートンが処刑するローマの軍人で、キリストが磔にされている十字架の柱に手を掛けているとその手の上に血が滴ってきて、洗っても洗っても落ちない赤い血痕の印象が強く残る。そして、その軍人の赤いマントが戦車に乗ると風に翻って恰好よかった印象が強く残っている。

次に見たのがシネラマのミュージカル映画「オクラホマ」。ゴードン・マクレーン、シャリー・ジョーンズという歌のうまいスターが出ていた。主テーマの「オクラホマ」を初め、名曲ぞろいである。「オー・ビューティフル・モーニング」「飾りをつけた四輪馬車」など今でも口ずさむことが出来る程の親しみやすいメロディで、蓋し名楽曲といえる。のちに「ウエストサイド・ストーリー」がミュージカル界を席巻するまで、ブロードウエイのトップを走っていたという古典的な作品である。

新宿コマ劇場は去年の暮で幕を閉じたが、当時はシネラマの上映館だった。「オクラホマ」の次は世界的な大ヒットシネラマ「八十日間世界一周」だ。カンティンフラスとデヴィッド・ニーブンのコンビで八十日で世界一周するという大博打を打つイギリスの貴族の話だが、気球ゴンドラに乗って上空から見る世界中の美しい空中撮影が恐らく初めて一般大衆に公開されたのではないだろうか。そして、あの有名なテーマ音楽「アラウン・ザ・ワールド」は未だに航空機内や海外旅行の宣伝番組のBGMとして使われている。ムード音楽界のパイオニア、ビクター・ヤングの作曲。

当時の大型映画は、シネマスコープ、シネラマとトッドAO方式があって、「オクラホマ」「八十日間世界一周」は70mmトッドAO方式であった。

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下記SHO-KOの部屋「ジェームス・ディーンの遺言」を是非覗いて下さい。

http://www.ne.jp/asahi/osaka/sho-ko/

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EIGAフランコ・ゼッフィレッリ

先日ルキノ・ヴィスコンティの「夏の嵐」をTVでやっていて、助監督にフランコ・ゼッフィレッリの名前を見つけた。

ゼッフィレッリの名前を最初に知ったのは、オペラの装置家としてだった。或いは、映画「ロミオとジュリエット」の監督としてだろう。

そして自伝「フランコ・ゼッフィレッリ」を読んで、その興味深い半生を知ったのだった。

フィレンツェ生まれ。フィレンツェにはイギリス人がたくさん住んでいたため、英語をしゃべれる若者に育った。これが、後に世界的な芸術家になるために役に立つ。

夏休みに友人と自転車旅行に出かける。ナポリ駅近くのホテルに泊まり、少し離れた郊外の修道院に出かける。夜、連合軍の空襲がホテルを襲い、全焼し、たくさんの死者が出る。その日修道院に出かけていなければ、そのとき焼死していたと書いている。

連合軍がすぐに上陸してくる、英語が出来るフランコは通訳として雇われる。

そして、ヴィスコンティーとの出会い。彼らは相思相愛の仲に・・・・・・・・・。ローマのヴィスコンティの豪華な家に住み、白いスポーツカーを乗り回す。マセラッティーかフェラーリだろうか。

「白夜」には載っていなかったので、「夏の嵐」ぐらいから助監督として一緒に映画をとる生活。平行してオペラの演出・美術を手掛ける。ヴィスコンティがオペラを演出していたのは、映画を撮るより前で、その分野に道をつけたのは、監督に違いない。

オペラ「椿姫」を映画にしたものは見たが、カメラワークに懲りすぎの感はあった。「ロミジュリ」も甘いロマンチックものに仕上げている。

愛情表現が流れる感覚、とりとめのない流動性を感じるのは、バイセクシュアルの感性なのだろうか。ヴィスコンティの「地獄に堕ちた勇者ども」も「「家族の肖像」もなにか取り留めのないエンドレスな感性を感じてしまうのは、わたしだけだろうか。「山猫」は違ったが・・・・。

ゼッフィレッリの南イタリアの別荘には、テネシー・ウイリアムズやライザ・ミネリもよく行っていたという。「愛」を描くのは、「愛」の世界に生きるには、そうした現実生活が重要になって来るのだろうか。

jimma090511

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モノクロ邦画

順不同で並べますが、

「砂の女」監督勅使河原宏、原作安部公房、出演岡田英次、岸田今日子、三井弘次、観世栄夫 音楽武満徹、1964年東宝。民芸の佐々木のぶよさんが印象に残った。

「非行少女」監督浦山桐郎 出演和泉雅子。しんしんと雪の降る中を風呂のたきぐちで薪をくべる情景描写が見事だった。

「羅生門」黒沢明、森雅之、三船敏郎、京マチコ。物事を客観的に観ることの難しさ、人によってまるっきり違う解釈をするんだ、或いは人間は自分の都合のよいように解釈しするんだ、それが大人というものなんだと思った。

「人間の条件」小林正樹、仲代達矢、田中邦衛、新珠三千代。1961年松竹大船。

「ビルマの竪琴」市川昆、安井昌二、北林谷栄、

「人間蒸発」今村昌平、露口茂。

次回からは、カラー映画になります。

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EIGA 「ワーニャ伯父」「ガムレット」

アンドレイ・ミハルコフ・コンチャロフスキー監督1971年モスフィル製作「ワーニャ伯父」。

チェーホフの名作の映画化の代表作といえる。チェーホフが映画にぴったり嵌っている。

私は劇団俳優座在勤の1975年ぐらいに「伯父ワーニャ」上演のための参考資料として、市谷の試写室で出演者や演出家と見ることが出来た。

医師アーストロフをセルゲイ・ゴンダルチュクがやっている。舞台にはない写実性とリアル感がとても印象に残った。映画には適わないと思った。

ソ連製作の映画では、その前に「ハムレット」があるが、最後の「その先は沈黙・・・・」と言うセリフと「オルフェ」にヒントを得たと思われる壁が印象に残った。

何とそうそうたるスタッフ。

「ハムレット」1964年ヴェネチア映画祭審査員特別賞

監督 グリゴリー・コージンチェフ  ロシア語訳 ボリス・パステルナーク

音楽 ドミトリー・シェスタコヴィッチ

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